自分が気分循環性障害ではないかとの気づきがあってから半年が経った。気づいたきっかけはYouTubeのあるチャンネルだった。
何を検索してヒットしたのかは忘れたが、廣瀬先生の動画に辿り着いた。
その中で話されていた気分循環性障害の話があまりにも自分の症状と重なるので、自分が気分循環性障害であると確信した。
すぐにでも廣瀬先生のクリニックで治療をしたい気持ちはあったが、クリニックは家から片道2時間とかなり遠いので躊躇していた。
動画の中で栄養素不足が原因で症状が出るケースがあるという話があったので、気分の落ち込みに効果のある栄養素のサプリメントを買って飲んでいたが、期待も虚しく今回また、落ち込みの発作が出たので重い腰を上げた。
予約
OPクリニックは完全予約制だった。電話をすると、出たのは若い男性だった。私が診てほしいと言うと、どんな症状がいつから出ているのかと尋ねられた。
私は数日前に落ち込みの発作があったこと、YouTubeで気分循環性障害の話を聞き、症状が同じであることを伝えた。
電話口の男性はYouTubeの先生に診てもらえるかはわからないと言い、私はそれに了承すると、空き時間の確認をすると電話口を離れた。
今までの精神科予約の経験から、かなり先の予約になるのではないかと覚悟をしていたが、1週間後に予約が取れるという。しかも、日曜日だったので仕事を休む必要もない。
最後に、受付から終了まで約2時間の時間を要することを伝えられ、予約が終わった。
面談
クリニックは清潔感があり、お洒落でとても落ち着いた雰囲気だった。
受付をするとすぐに症状に関するアンケートを書いた。
10分ほどでアンケートを終え、少し待つとまずは心理士との面談だった。
心理士は若い男性で威圧感や横柄な態度は全くなかった。かと言って接客業のようななれなれしさもなく、適度に事務的な距離感だった。
20分くらいかけて症状について、家族歴についてなどを丁寧にヒアリングをしてくれた。
私も話が脱線しないよう、余計なことを言わないよう、心理士がうまくまとめられるように努めた。
症状が出始めたのはいつからかとの質問に答えるのは難しい。振り返ると物心がついた頃から気分は不安定だった。
成人し、お酒に逃げるようになってから特にひどくなったので、その頃ではないかと話した。
どんな症状か
一言で言うと気分の落ち込みだが、もっと具体性がないといけない。何かエピソードを話したら良いのか、今回のケースを話したら良いのか、少し迷いながら心理士の誘導に手伝ってもらい説明した。
きっかけがあると気分が落ち込み、それを受け止めきれずに酒を飲み、二日酔いで寝込み、気分はさらに落ち込む、このパターンを年に数回繰り返すと伝えた。
落ち込んだ際恋人に対し、過去のことを持ち出して責めまくる話は余計なことかと思って話すのをやめておいた。
家族歴
家族歴についての説明は少し時間がかかった。両親は離婚しており、私自身2度の離婚歴がある。
父はどんな人か尋ねられた。うっかり父に対する不満を述べそうになったがここは酒場ではないので愚痴は厳禁と思い一言でまとめるよう考え「自由な人」と伝えた。
お母さんは?
どうやら家族全員についてどんな人かを聞かれるらしい。私は頼まれてもいないのに、一言で表すことに専念した。
〇〇さんを一言で例えると、と言うゲームのような感覚になってきた。私は考えイメージをなんとか一言にした。「批判的な人」いや、「否定的な人」かな。
こんな感じで家族について話した。離婚についての原因などの詳細には触れず、いつ離婚したかなどの事実を確認した。
心理士との面談の後、少し待たされて診察となった。
診察
診察してくれたのはYouTubeの先生ではなかったがか「廣瀬と言います」という自己紹介があったので息子さんかな?と思った。
お医者さんに自己紹介をされたのは48年間生きていてはじめての経験だった。
まずは症状について、年に3〜4回気分が落ち込むことがあり、その際に怒りが伴い、次第にその矛先が自分に向かい、自分をとことん破壊したくなることを説明した。
先生は、年に数回そう言った症状であればここへ来る他の患者さんよりも軽い症状であり、頓服薬と日々の自分との向き合い方の練習やので頓服だけでは良いかもしれないと話した。
私は話が落ち着きそうにな気配を感じたため「日々の生活の中で意識してみます」と話を終えようとした。
その話を終えようとした私に何か納得いかないものを感じたらしく先生は話を続けた。何か問題が隠れているのではないかと探しているようだった。
質問はよく覚えていないが、私はこんなことを話した。
治療のビジョン?気分が落ちたときに、気分を立て直すことを絶対に許さない自分がいるんです。意地でもとことん落ち込んでやると思ってしまうんです。それがなくなる薬が欲しいです。
そんな自分をどう思うか?「無駄だなぁ」と思います。やりたいことが沢山あるのでそんなことに時間を費やしたくないんです。
…そうではないんです、離婚は自暴自棄になってしたのではなく、幸せになるためのポジティブなものなんです。全てを捨ててでも幸せになりたいと思った、そのためにした勇気ある行動だったと思っています。
確かに、いつも問題を乗り越えずに全てを捨ててしまいます。
など、たっぷりと25分間、話をした。
以前、横浜にある有名な依存症外来でひどい医者にあたり、それ以来精神科では私が治療方針を決め医者は私にとって処方箋を出すだけの役割だった。
しかし、今回の先生は症状について深く掘り下げて理解しようとしてくれている。
多少の期待はあったがこれはそれ以上で有りがたい。自分の症状が良くなるのではないかと希望が持てた。
検査
診察の後は検査があった。身長、体重、血圧、尿検査に血液検査まで。
精神科で血液まで採られることは予想外だったので少し驚いた。結果については2週間後の診察のとき話があるということだった。
YouTubeでは栄養不足が原因で精神的な症状を引き起こすケースがあるという話があったので、その辺りを調べるのかもしれない。
会計
6340円だった。検査をしたので高くなったと説明があった。
週に2回の病院代と新宿までの交通費、毎月の出費を思うと少し気が重くなった。
しかし、落ち込み発作がなくなり、その時間に働けると思えば時給換算で損はしないと思った。
気づき
今回のことで一つ気づきがあった。私が感じているのは単純な「落ち込み」でなくもっといろんな感情が入り混じったものだ。
きっかけはいつも怒りだが、その後に気分がソワソワと落ち着かなくなり、気が変になりそうな感覚になる、まるで何かの離脱症状のような感じだ。
その後にくるのが落ち込みだ。実際に落ち込んでいる期間は少ないことに気付いた。
私はこの日を境にしばらくの間、怒りについて考えを巡らせることとなった。
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